9.『河童』 解説

文化の季節

 本編マンガで少年達にカッパの夢を抱かせたのは、町内文教ゾーンに建つ植木蒼悦記念館のカッパ絵である。孤高の画家、道内唯一の水墨画家と呼ばれた彼の絵に魅せられコレクションした篤志家の寄贈により誕生したこの記念館は、長万部町の貴重な文化財産である。

 その解説は昭和57年。高度経済成長時代の反省が盛んとなった昭和50年代、人々の目は次第に文化的なものに向いていった。そういう空気は長万部町も例外ではなく、町民には文化的欲求が高まっていったのだ。町民センター郷土資料室の和田芳恵コーナー、平和祈念館なども、この記念館に前後して開設されている。

 一方で、山林などの自然が再評価され始めたのもこのころ。自然保護運動が盛んになる中で、湿原の意義もまた評価されつつある。原始の様相を伝える静狩湿原の風景もまた、いつまでも残しておきたい者である。

 植木蒼悦のカッパ絵、そして静狩湿原。その間には特別な関係はない。だが、どことなく共通する匂いがあるのはどうしてだろうか。長万部の町中に確かに感じられる、素朴な命の輝きとでも言おうか。

 あるいは、それが植木蒼悦の作品を長万部に呼び寄せたと言ったら過言であろうか。

 残念ながら、長万部にカッパ伝説は、まだない。


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